#5 損益計算書(P/L)(3) - 表面的な数字を追うだけでは誤った理解をしてしまう
企業のビジネスまで理解しないと、財務諸表を読み切ることが出来ない。 ビジネス面での理解が重要になる。
例えばフランチャイズの業態を取る企業では、原価率が低く表示される。
フランチャイズとは、フランチャイズ本部が加盟店に対して商標や経営のサポートを提供し、そのかわりに加盟店はロイヤリティとして利益の一部を本部へ支払われる仕組みのこと。
つまり、加盟店の収益の収益は本部の財務諸表に反映されるが、負担したコストについては反映されない。
その結果、利益率は高く(原価率が低く)表示される傾向がある。
また、顧客に商品を販売するBtoCビジネスの企業でも実はホールディングスはフランチャイズに対する卸売で設けるBtoBビジネスとなっている企業もある。この場合、あらかじめ販売先が決まっており、新規開拓営業に充てる人件費もかからず、店舗の水道光熱費も特にかからないため、販管費が小さくなる傾向となる。
最初に記述した通り、企業のビジネスまで理解しないと、財務諸表を読み切ることが出来ない。
#4 損益計算書(P/L)(2) - P/Lの5つの利益
P/Lの5つの利益とは
損益計算書には複数の利益が表示されている。
①売上総利益
売上総利益は、売上高から原価を差し引いて算出される。 粗利益、粗利と呼ぶこともある。
②営業利益
営業利益は①売上総利益から販管費(=販売費および一般管理費)を差し引いて算出される。
販管費とは:商品を販売するために発生する費用(販売費)と会社全体の管理にかかる費用(一般管理費)の総称。
販管費の例:
①給与
②広告宣伝費
③運送費
④地代家賃
⑤減価償却費
⑥外注費
③経常利益
②営業利益に、本業以外で獲得した収益(営業外収益)を加算し、費用(営業外費用)を控除して算出される。
これらは全て継続的に行われる活動により獲得した利益のため、会社の実力が一番反映される利益と言われている。
④税引前当期純利益
③経常利益に、特別損益といった毎期のように発生しない事象から発生した利益や損失を加算して算出される。
⑤当期純利益
④税引前当期純利益から、法人税等の税金コストを控除した金額。
損益計算書の費用は企業の戦略が反映されるし、業界によっても変わってくる。
#1 決算書の読み方(決算書の目的)
【決算書の提出タイミング】
上場企業は以下のような書類の提出が求められる ・年に1回:「有価証券報告書」。決算書に事業内容の説明などを加えた書類
・3ヶ月に1回:「四半期報告書」。有価証券報告書の経過報告的位置づけ
非上場企業は、決算書等の開示義務を課されていない場合が多いが、 資金調達など特定のタイミングにおいては投資家から決算書の開示が求められる。
【決算書の提出が求められる理由】
融資元の金融機関や投資家、取引先など奥の人が健全な取引を行う上で必要な情報のため、 決算書の開示が求められている。
【監査】
・第三者の立場から決算書が合理的に正しい数字であることを公認会計士が確認するのが監査。
・粉飾を防止する目的。
・上場企業は、監査を必ず受けなければならないと、会社法で定められている。
・非上場でも一部の企業では監査を受けることが必須となっている。(公益性の高い法人や証券会社など)
【決算書の構成】
一般的には以下の4つで構成され、①~③は財務3表と呼ばれる。
これらの書類を見れば、会社の財政状態と経営成績を把握できる。
①貸借対照表(B/S)
②損益計算書(P/L)
③キャッシュ・フロー計算書(C/S)
④株式資本等変動計算書(S/S)
仕訳
必ず取引を行うごとに一定のルールで記録を付けており、これを仕訳と呼ぶ。 仕訳を全てまとめたのが決算書である。
決算書が読まれる目的
①企業内部での目的:現金や売掛金の把握のため
②銀行や投資家などの目的:利息や、配当金、株価の値上がり益などのリターンを見込んだ投資のため。
③企業間での取引での目的:企業の安全性を見るため
#0 決算書の読み方
最近、決算書の読み方を勉強しはじめました。
以下の本を読み進めています。 『会計クイズを解くだけで財務3表がわかる 世界一楽しい決算書の読み方』 www.amazon.co.jp/dp/4046043679
目標は決算書を読めるようになり、企業にお金の流れ等を理解することです。
よろしくお願いします。